県手話言語条例への道のり

2.2021年6月再度手話言語条例推進会議設立 メンバー9名

〇山梨県聴覚障害者協会(事務所長)小椋武夫(事務局長)仁科加代子 〇山梨手話通訳問題研究会 大崎茂樹 杉下多恵子 桐原サキ 〇山梨県手話通訳士会 利根川圓 小椋英子 〇山梨県立ろう学校長(随時同席)木村則夫 〇山梨県立聴覚障害者情報センター所長(随時同席)藤川 健

3.県議会への要望

4.山梨日日新聞「私もいいたい」読者コーナーに投稿・論説掲載

5.なぜ県手話言語条例制定を求めた? まず手話の歴史、社会の背景を知る必要がある。

☆【手話の歴史】 ①ろう者は長い間、日常生活で使いこなしてきた手話を言語とは認められなかった。 ②手話による情報が入らない、そして手話による情報伝達の社会的制度が無くて、そのために社会参加の機会が出来なかった。 ③ろう教育で手話が禁止される長い歴史があった。 ④手話のかわりに口で話すという考え方が強くて、聞こえる人と同じくどうしても話せるようにする考えがあった。 ⑤手話を拒絶されたろう者は、十分な言語の発達が出来なくて、聞こえる人と比べ、勉強が遅れていた。

☆【社会の背景】 ①手話通訳者を呼ばなくても、手話がなくても通じると言う企業が多い。仕事の簡単なメモとか連絡であれば大丈夫だと判断される。 ②職場の会議に参加するろう者が手話通訳派遣を希望したが、会社から筆談サポートをするから頼まなくていい、機密会議だから手話通訳を呼べないと断わられる。 ③県知事記者会見のテレビニュース画面に手話通訳が出ない、市民講座・研修会の主催からも手話通訳派遣の予算がないので呼べない。 ④手話通訳による情報提供で社会から情報を知る、自由に使う手話に対する理解を広げるが、手話通訳者は福祉面で無料ボランティアと思う人が多く、そのために仕事として身分保障もなく、手話通訳者を守る予算も少ない。 ⑤県議会に行くときにも、議員と会う時は、必ず手話通訳者を通して話し合うが、手話通訳者がいなければ筆談を行うが、書く紙が無ければ挨拶だけ終わってしまう。受付に手話が出来る人も不在。手話によるコミュニケーションバリアは永遠の課題。

☆【条例の必要性】 ①聞こえる人たちが日本語の音声言語で学び、様々な情報を得て暮らしているように、聞こえないろう者は手話で学び、生活のあらゆる場面で手話を使って暮らせる社会が必要。 ②手話が音声言語と対等な言語であることを広く県民に広め、自由に手話が使え、さらに手話を言語として認識され、医療、教育、労働、司法等の様々な場面で手話を使える環境を整備していただくためには県手話言語条例が必要。 ③手話を自由に使えれば、コミュニケーションのバリアがなくなれば、もっと社会参加しやすくなり、力を発揮する場面が増え、自分らしく生きることができる。

☆【条例で理解を広める】 ①2011年の障害者基本法改正に「言語に手話を含む」ことが明記されたが、その理念にとどまっている。「手話」は福祉的な視点ではなく、ろう者の人権を守る「言語」の位置づけが必要。 ②2013年差別解消法から盛り込まれた県障害者幸住条例に言語(手話を含む)と改正されたが、手話言語に対する理解がまだ浸透してない。③手話言語に対する理解が乏しい、手話言語を認める認識が課題になっていて、手話そのものを理解していない。 ④手話に関する基本的な保障と社会認識を高め、「聞こえない人も聞こえない人も交えた社会」を作る。 ⑤社会にまだまだ不十分な施策が多い。何回もお願いしても解決されないので手話言語条例が必要。前向きに検討すると回答ばかりで進まない現状。

☆【5つの権利】 聞こえる人々が当たり前のように音声言語の5つの権利が守れているように、手話も「手話を獲得する」「手話を学ぶ」「手話で学ぶ」「手話を使う」「手話を守る」の保障として具体的な政策が必要。                   言語=日本語の場合:①日本語を獲得する ②日本語で学ぶ ③日本語を学ぶ ④日本語を使う ⑤日本語を守る→日本語の場合は5つとも確立されている 。同じく言語=手話の場合も ①手話を獲得する ②手話で学ぶ ③手話を学ぶ ④手話を使う ⑤手話を守る→手話は5つの権利が保障されていく。                                               (5つの権利の説明) ①手話を獲得する:5つの権利のうち根幹になる部分。手話に関する十分な情報とろう者が手話を獲得・習得していくための環境。 ②手話で学ぶ:ろう学校や大学等一般の学校でろう者が授業や講義を受けるとき、手話に熟達した教員が指導、手話通訳も用意され学習権を保障する。 ③手話を学ぶ:「国語」の学習を通じて日本語を学ぶことと同様に、「手話」を教科として学べる。 ④手話を使う:手話で自由に会話ができること、手話通訳を通して社会参加ができることにより、生活はより豊かになる。 ⑤手話を守る:手話を言語として日本語と同レベルで普及・保存・研究される。また手話を伝承していく。

☆【手話通訳者の労働状況】 聞こえないろう者が病院等へ行くときに、手話通訳者が派遣され、コミュニケーションの架け橋として活躍することが大切です。                                              ①手話通訳者の働き方は「登録型」と「雇用型」に分かれ、雇用型は、福祉行政・医療分野などの団体や自治体に雇用されている。   ②大半は登録型で、各市町村や派遣業務を受けた事業体などに登録している。現在、登録型の手話通訳者が多い。   ③登録手話通訳者の身分はまだ不安定。あくまでも自治体や団体に「登録」しているだけで、雇用や労働契約を結んでいない。労働契約を結んでいないため、「労働者」とならないという行政の考えがある。→有償ボランティア活動のイメージとなる。⇒通訳者の権利を保障し、待遇の改善につなげることも、手話言語条例で解決しなければならない。

☆【今の課題】1.手話で話していると、偏見や好奇の目で見られる場面もまだ根強く残っている。→どう解決するか  2.どうしたら手話への広い理解や支持が得られる手話を守るようにするか。→どう解決するか ※手話言語条例で解決する必要がある。

☆【山梨としてどんな条例を作っていくか】 ①手話言語を獲得出来る環境の整備、手話言語への理解促進、手話言語の普及  ②県民ぐるみの運動  ③推進方針の策定→手話言語に関する施策を実施する  ④観光地である山梨の取り組み ⑤当事者の意見を聞く(現状を知る) ⑥未来の担い手を育てる→児童、生徒、学生が手話に接する機会の提供  ⑦さらにきちんと手話通訳制度を確立していく  ⑧教育環境に手話言語をどう取り入れるか議論を重ねる。

☆【条例のあり方】                                              (理念)聴覚障害者の特性に応じた意思疎通等のための手段の確保は、全ての人が相互に意思を伝え、理解し、尊重し合う手話は、文化的所産であり、ろう者が日常又は社会生活を営むために大切に受け継いできたものであるとの認識の下、その理解の普及を促進する。                                              (県の責務)聴覚障害者の社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮を行い、手話等の普及促進を行う手話等を使用する者と連携し、手話等に対する県民理解の促進に努める。→県民と企画して一緒に参画する行事が必要(手話言語の日も設ける)                                                            (県民・市町村・事業者の役割)県民は、手話等や聴覚障害者に関する理解を深めるよう努める。市町村は、聴覚障害者が日常又は社会生活を営むために必要かつ合理的配慮を行い、手話等の普及、環境の整備に努める。市町村条例の制定を進めるとかもある。事業者は、聴覚障害者にサービスを提供するときや雇用するときは、手話等の使用に関して配慮する。 (国との関わり)国が作る手話言語法を進めさせることも大切です。国の施策として全国市町村行政と関わり、施策推進予算を補助しなければならない。

☆【手話言語フォーラム開催】 山梨県における条例制定にどのように取り組んでいけばよいのか十分に討議していくため、2年間に5回開催しています。多くの議論を経て長年の懸案である「手話言語条例」制定にむけた取組内容がまとまり、大きく進展してこられた。